【Design】平面デザインの「図」と「地」やグループ化の原理

✓何が主役(主題と背景)になるのか?

 

デザインにはさまざまな要素(色、形、文字など)で構成されています。

ただ、一般的に人はそれぞれの要素をバラバラではなく「一つの構成物」として全体像をはじめにとらえる気持ちが働きます。

このような心理傾向について「ゲシュタルト心理学」があり、ゲシュタルト心理学は人間心理を、全体性や構造に重点を置いて捉えるという考え方になります。

 

図と地

作品において主題となるオブジェクトの部分を「図」、背景になる部分を「地」と呼ばれます。

人間は作品を見たとき最初に「図と地」を見分けるとされ、この図と地の立場がハッキリしていないと見たときに理解しにくさを感じます。

また図と地は、一般的に前面と背面の関係にとなりますが、配色や組み合わせ次第で「図(前面)と地(背面)」の関係が入れ替わってきます。

一般的に下地の面積が大きい方を図としてとらえられる傾向が多い。
リュウジ
リュウジ

「ルビンの壺」

図と地が見る人によって入れ替わる有名な例が「ルビンの壺」です。

「ルビンの壺」は図と地が見る人、注視する場所によって入れ替わり、白を図にすると壺に見え黒を図にすると人物の顔が向き合っているものに見えてきます。

さまざまな錯視

「ルビンの壺」のように「図と地が入れ替わって見える」以外にも、実際と見た目が違って見える「錯視」もあります。

上:どっちが長く見える?

真ん中:横の4本の線はどのように並んで見える

下:円の中にある赤い四角は正方形?

 


さてさて、どう見えましたか?おそらくは👇
リュウジ&レオ
リュウジ&レオ

上:同じ長さであるがYの字に開いている方が長く見える。

真ん中:4本の水平線はすべて平行に並んでいるが傾いて見える。

下:円の中の赤い四角は正方形であるが歪んで見える。

グループ化の原理-プレグナンツの法則

グループ化の原理は「ゲシュタルト心理学」で説明されます。

「見える図形などの対象物を一定の秩序をもつ全体的な構成物としてとらえる」というとらえ方でで「プレグナンツの法則」が有名です。

プレグナンツの法則

「プレグナンツの法則」は、人間がゲシュタルト(形態)を知覚するとき全体的な構成物としてとらえ、もっとも単純で安定した秩序ある形にまとまる志向性を持っているとされています。

全体的な構成物(塊)として見ることを「群化」と呼ばれています。

さらに群化には「近接」「類似」「閉合」「よい連続」「よい形態」「面積」などの要因による認識パターンがあり、デザインにおいても一般的に利用される法則です。

【近接】

互いに近接しているオブジェクトに対しては、それらが同じグループであると認識されます。

近接している円は、同一のグループとして認識される。
大きさが違う文字でも近接して並べると同じグループとして認識される。
写真に近接しキャプション(見出し、表題、字幕、短い説明文、など)を配置すると同じグループとして認識される。

【類似の要因】

同じ形や色の属性があるものに対しては、同じグループであると認識されます。

色や形が同じオブジェクトは同じグループであると認識される。
色別に分かれた「ひらがな」「カタカナ」「ABCD」の文字種が同じグループとして認識される。
同じイラストでも「種類」によって「果物」「野菜」「魚」のグループとして認識される。

 

【閉合の要因】

「」【】のように互いに閉じ合ったオブジェクトは一つのオブジェクト(群)と捉えられます。

また、〇や□の一部が隠れていてもの不完全な部分をかってに補完して一つのオブジェクトとして認識されます。

部分的に消えていても、消えた部分を補完して□や〇をそれぞれ一つのオブジェクトとして認識する。
括弧のような記号など互いに閉じ合っているのでそれぞれを一つのグループとして認識される。
部分的に消えている写真でも認識できるものは、消えている部分を補完して一つの写真として認識される。

 

【よい連続の要因】

連続する滑らかな曲線がある形状の場合、これらの線を一つのつながりある配列として認識されます。

下図の曲線を一つの連続した線と捉え、真ん中の図のように縦に直線が交わっている二本の線に認識されます。

 

曲線(波線)と直線がくっついた一つのように認識はされにくい。

 

同様に連続した直線は、分解すると二本の直線が交差していると捉えられます。

 

くの字の2つの繋がりとは認識されにくい。

【よい形態の要因】

単純や規則的、対照的な形態は一つのまとまりとして認識されます。

 

それぞれが規則性のある□と〇の1つの繋がりの線として認識され、

 

3つのバラバラな形からできているとは認識されにくい。

 

この場合も同様で、規則正しい〇のつながりとして認識され、

 

3つの形からできているとは認識されにくい。

【共同運命の要因】

動きや変化の仕方、方向性などに共通がある場合それぞれを一つのまとまりとして認識されます。

この場合それぞれが真ん中の赤枠に分かれてグループとして認識され、

 

右の縦の赤枠のようにはグループとして認識されにくい。

【面積の要因】

面積の大小によって、小さい方が図として認識する傾向があります。

まとめ

ここでは平面デザインの「図」と「地」やグループ化の原理についてでした。

見え方について人間の心理がどう影響するのかを理解すると、デザインにおいて「どのように見せたいか」が意識できると思います。

【AdobeCC基礎マスター講座】

Adobe Creative Cloud(学生・教職員個人向けライセンスプログラム)を間36,346円(税込39,980円)で同時に全3ヶ月(動画閲覧 1ヶ月+課題作成 2ヶ月)基礎がしっかり学べるお得なパッケージプランです。

最新情報をチェックしよう!
>           チャンネル登録して応援お願いします。

           チャンネル登録して応援お願いします。

                  ご視聴と感想をお待ちしております。チャンネル登録・高評価もお願いします。