本来、元々の写真や画像が一番自然なので手を加えれば加えるほど「奇麗だけど不自然」になってしまいます。
今回は不自然にならないかけ離れたレタッチ(やりすぎ修正)ではなく、質感を保ったまま自然な肌のレタッチ方法の動画です。
この方法をはどんな画像にも肌レタッチが応用できるのでぜひ練習してみましょう。
*クリック拡大可能
下処理とアクション化
アクション化の準備
最初に行う肌レタッチの下処理はどの画像でも共通で数値なども変えることがないので「アクション化」下処理工程をワンクリックで行えるようにしておきましょう。
【ウィンドウ】から【アクション】を選択。
アクションパネルから【新規アクション作成】
名前はわかりやすく「肌のレタッチ共通」に変更。
このように記録されている状態になります。
下処理工程
【Ctrl】+Jで2つコピー
します。
コピーしたレイヤをそれぞれ「肌テクスチャ」「肌の色」に名前を変更。
「肌の色」レイヤーを選択。
右クリックから【スマートオブジェクトに変更】を選択。
【フィルター】メニューから【ぼかし】内の【ぼかし(ガウス)】を選択。
・半径は5pixel
「肌テクスチャ」を選択。この時点ではまだ【スマートオブジェクトに変換】はしません。
【フィルター】メニューから【その他】内の【ハイパス】を選択。
・半径は5pixel
ここで「肌テクスチャ」を右クリックから【スマートオブジェクトに変換】します。
レイヤーパネルから描画モードを【リニアライト】にし、塗を50%に変更。
*不透明度だとハイライトが濁ってしまうので塗りを変更
「肌テクスチャ」を選択したまま【フィルター】メニューから【ノイズ】内の【ダスト&スクラッチ】を選択。
・半径:10
・しきい値:5
赤枠をダブルクリックすると【描画オプション】がひらきます。
【不透明度75%】に変更。
レイヤーパネルの「スマートフィルター」を選択し【Ctrl】+Iで反転(黒)させ、ダスト&スクラッチの効果をいったん隠しておきます。
これは細かな凹凸の集まりを効率よく取り除くときに機能させます。
「肌テクスチャ」レイヤーに【レイヤーマスク】を作成。
【ウィンドウ】メニュー【プロパティ(以前は属性)】を開きます。
【反転】をクリックし【濃度0%】に変更します。濃度を0%にするとマスクは白になります。
【Shift】+クリックで【肌テクスチャ】と【肌の色】レイヤーを選択し【新規グループを作成】をクリックしグループ化しておきます。
ここまででレイヤーパネルはこのようになっているはずです。
アクションパネルの■で記録を止めます。
これでほかの画像の肌レタッチする際にも、ワンクリックでここまでの工程が完了します。
肌レタッチの準備
レタッチの対象となる肌以外の部分をマスクしていきます。その際に選択範囲を作成していきますが、使用ツールは自動選択ツールでもクイック選択ツールでもペンツールでもクイックマスクモードでも何でも構いません。
今回は【クイックマスクモード】でブラシしていきます。
マスクを作成
この工程は重要なのでしっかりとマスクを作成していきましょう。
グループレイヤーを選択。
【ブラシツール】を選択し硬さ0%に設定。
【クイックマスクモード】を選択。
このように赤く表示されていればブラシでマスクしていけます。
肌部分をブラシします。この時唇、目、眉毛などは気にせず行ってください。ブラシの色(白黒)をXキーで切り替えながら大きくはみ出た部分など消したりし行います。
【クイックマスクモード】をクリックすると選択範囲が作成されます。
選択ツール(なんでもOK)に切り替えたら【選択とマスク】で生え際を調整していきます。
【境界線調整ブラシツール】を選択し生え際をブラシします。
この時、ブラシサイズは大きくしない方が調整しやすいです。
調整が終わったらレイヤーパネルから【レイヤーマスクを作成】しマスクします。
【Ctrl】+Iで反転させます。
マスクの境界線をぼかしマスクの外と内の違和感を防ぎます。
マスクサムネをダブルクリックし【プロパティ(以前は属性)】パネルを開き【ぼかし(マスクの境界線)】を5PXに変更します。
次に鼻の穴、口、眉毛をブラシでマスクしていきます。
チャンネルパネルのマスクのオーバーレイを表示し塗りやすくします。
このようにマスクした部分がオーバーレイ表示されるので確認しやすいです。
ブラシはサイズ20px、硬さ0%で行っています。
塗の腰がないようにレイヤーマスクを【Alt】クリックなどで確認していきます。
マスクしたらレイヤーマスクを【Ctrl】+クリックで選択範囲を表示させます。
チャンネルパネルに切り替え【選択範囲をチャンネルとして保存】をクリック。
このアルファチャンネルは後ほどスマートオブジェクトに読み込んでマスクするのに使用します。
レタッチ開始
ここから実際のレタッチに入ります。
【肌の色レイヤー】を選択。
【レイヤー】メニュー【スマートオブジェク】から【スマートオブジェクを複製】
*修正(シミ、しわ、ほくろ、ごみなどを消す)がない場合この工程はなくてもよい。
複製したレイヤーサムネをダブルクリックし画像を開きます。
*後で強めのぼかしをかけるため肌以外の要素の色が入らないようにマスクをします。
新しいタブに画像が開きます。
【選択範囲】メニューの【選択範囲を読み込む】をクリック。
先程保存した【アルファチャンネル1】を読み込みます。
このように読み込まれました。
【レイヤーマスクを作成】しまう。
かなり怖いけど・・・このようになります。
マスクができたら【ファイル】メニューの【保存】を選択。
保存すると元の画像に反映されます。
反映されたらスマートフィルターの【ぼかし(ガウス)】をダブルクリックしパネルを開きます。
半径:10~15pixelに変更。
変更したらレイヤーにマスクを作成します。
マスクを選択し【Ctrl】+Iで反転、すべての領域を隠しておきます。
【ブラシツール】を選択し【ぼかし(ガウス)】を適用したい部分にマスク解除していきます。
弱くのっぺりした感じを防ぎ立体感が出ます。
このように変化しました。
次に【肌テクスチャ】レイヤーサムネイルをダブルクリックし画像を開きます。
先程同様に新しいタブで開いたらほくろの修正を行っていきます。このとき画像が見えにくいのでタブをドラッグし並べて表示させると判断しやすいです。
赤枠のほくろを薄くしていきたいので【修正ブラシツール】で修正します。
*修正ブラシツールの使い方はここでは割愛します。
修正ブラシツールは、コピースタンプツールと同様に、画像の特定の場所を別の場所にブラシストロークでコピーしながら描画します。修正ブラシツール修正ブラシツールでは、、コピーした画像が、コピー先の色とトーンに合わせて自動的に周囲となじんで[…]
同様に【ファイル】メニューの【保存】で元画像へ反映されます。
次は毛穴、てかり、ごみなどを修正していきます。
【肌テクスチャ】のスマートフィルターをブラシで解除していき【ダスト&スクラッチ】を適用していきます。
【スマートフィルター】を選択します。
ブラシの白でマスクを解除していきます。
細かく分かりにくいかもしれませんが比較画像です。
ここまででこのようになっています。
陰影を修正
【肌テクスチャ】
を選択した状態で【トーンカーブ】を選択します。
明るくなるように調整します。
顔のハイライトが強く白くなっていますがマスクし効果を隠すので問題なしです。
【トーンカーブ】のマスクを選択し【Ctrl】+I で反転させ効果を隠しておきます。
【ブラシツール】を選択しマスクを解除していきます。
影になっている部分に適用していきます。
このままだとマスクの境界線がはっきりし不自然なので【プロパティ】で【ぼかし30%】に変更します。
もう少し首元の陰影を修正します。
【新規レイヤを作成(首元)】し【肌の色のコピー】の上に配置。
ブラシツールを選択し首の一番明るい部分を【Alt】+クリックで色を抽出。
【塗りつぶしツール】を選択し抽出したカラーで塗りつぶします。
【レイヤーマスク作成】します。
【Ctrl】+Iで反転させ効果を隠します。
【ブラシツール】を選択し効果を解除していきます。
違和感なくなじむように【不透明度】下げて調整します。
*不透明度、塗り、ぼかしでの調整でもOK。
【トーンカーブ】を適用します。
【首元】レイヤーのみに適用させるため【クリッピングマスク】を有効にしておきます。
画像を見ながら明るくなるように調整します。
レイヤーパネルはここまででこのようになっています。
白目の修正
グループ内は目にマスクされているので、グループレイヤーの上に【新規レイヤーを作成(目)】します。
【首】レイヤー同様に白目の明るい部分から色を抽出し【塗りつぶしツール】で塗りつぶします。
塗りつぶしたら【レイヤーマスクを作成】し【Ctrl】+Iで反転させます。
マスクを選択し【ブラシツール】で同様にマスク解除し白目内の毛細血管を薄く修正していきます。
毛細血管を全くなくすと不自然なので薄く修正していきます。
肌の質感をつける
最後に肌の質感をつけていきまが、もし質感が強く抑えて滑らかにしたい場合【肌テクスチャ】のレイヤーマスクを選択し
【濃度】を調整します。
ただ、質感を抑え滑らかにすればするほど不自然になってしまうので、この方法で質感を出していきます。
【Alt】キーを押しながら【新規レイヤーを作成】をクリック。
レイヤー名はわかりやすく【質感粒子】とし、描画モードを【リニアライト】に設定。
【リニアライト中性色で塗りつぶす(50%グレー)】に☑を入れてOK。
グループ内の最上位に配置し右クリックから【スマートオブジェクトに変換】します。
【フィルター】メニュー【ノイズ】から【ノイズを加える】を選択。
量、分布方法、グレースケールノイズなどは画像によって調整してください。
これで完成です。
*クリック拡大可能
動画
まとめ
今回の肌レタッチ方法はどの画像でも同じ工程で修正していけます。使用した画像がビフォーアフターがわかりにくい画像で申し訳ありません。拡大してみてください。
なるべく元の画像からかけ離れないことが一番自然なので心掛けてみましょう。