通常、複数のオブジェクトを重ねると背面にあるオブジェクトは前面のオブジェクトに隠れて見えない状態になります。不透明度では重なったオブジェクトの背面のオブジェクトを透けるように設定でき、またオブジェクトとオブジェクトの重なる部分を描画モードで設定できます。
不透明度の設定
「透明」パネルでオブジェクトに対し色の不透明度を設定でき塗と線に設定した色がどの程度透けるかを表します。前面のオブジェクトに対し不透明度を設定すると、背面オブジェクトが透けて見えるようにできます。
不透明度の設定は「コントロールパネル」や「透明」パネルで行えます。最初に適用させたいオブジェクトを選択します。
次に上部の「コントロールパネル」または「透明」パネル、あるいは「アピアランス」パネルから不透明度を調節します。
上記赤枠の矢印(>)をクリックすると調節するスライダーが表示されるので、調節すると透けていきます。
描画モード
「描画モード」は、オブジェクトの不透明度に関係なく設定することがで、重なり合うオブジェクトには、背面と前面オブジェクトの色をどのように合成するかで重なり合うオブジェクトの色合いを新たに作成します。
・通常
通常モードで、前面オブジェクトと背面オブジェクトの色と影響しあうことはありません。
・比較(暗)
各色ごと、背面オブジェクトと前面オブジェクトの色を比較し、暗い色を結果色とします。
・乗算
各色ごとに、背面オブジェクトの色に対し、前面オブジェクトの色がかけ合わされ、画像が暗くなります。
・焼き込みカラー
各色ごと、背面オブジェクトの色を暗くし、前面オブジェクトの色に反映します。
・比較(明)
各色ごと、背面オブジェクトと前面オブジェクトの色を比較し、明るい色を結果色とします。
・スクリーン
乗算の逆の効果が適用され、背面オブジェクトの反転色と、前面オブジェクトの反転色を変え合わせるので、画像は白くなります。
・覆い焼カラー
各色ごと、背面オブジェクトの色を明るくし、前面オブジェクトの色を反映します。
・オーバーレイ
背面オブジェクトの色の輝度に応じて、乗算モードまたはスクリーンモードが適用されます。
・ソフトライト
前面オブジェクトが50%のグレー値より明るい場合、同じ色で覆い焼モードを適用し明るくなり、50%のグレー値より暗い場合、同じ色で焼き込みモードを適用し暗くなります。
・ハードライト
前面オブジェクトが50%のグレー値より明るい場合、同じ色でスクリーンモードを適用し、50%のグレー値より暗い場合、同じ色で乗算を適用します。
・差の絶対値
各色ごと、背面オブジェクトと前面オブジェクトの色を比較し、明るい色の値から暗い色の値を引いた差の絶対値が結果色となります
・除外
差の絶対値と基本的に効果同じですが、コントラストが低くなりソフトになります。
・色相
背面オブジェクトの輝度と彩度、前面オブジェクトの色相を持つ色が結果色となります。
・彩度
背面オブジェクトの輝度と色相、前面オブジェクトの彩度を持つ色が結果色となります。
・カラー
背面オブジェクトの輝度、前面オブジェクトの彩度と色相を持つ色が結果色となります。
・輝度
背面オブジェクトの色相と彩度、前面オブジェクトの輝度を持つ色が結果色となります。
描画モードを分離
描画モードを適用したオブジェクトをグループ化した場合、描画モードの効果はグループの背景にあるオブジェクトにも適用されます。
描画モードの効果をグループ内だけに適用し、背面オブジェクトに影響ないようにするには、選択ツールでグループを選択し「透明」パメルの「描画モードを分離」を使用します。
下図は右側のオブジェクトに「スクリーン」が適用されているものと左は「通常」のオブジェクトを重ねグループ化してあります。
このグループ化されたオブジェクトの後ろに新たなオブジェクトを重ねると、右側のオブジェクトの背景にも描画モードがてきようされてしまいます。
適用させたくない場合、選択ツールで前面のグループ化されたオブジェクトを選択し、「透明」パネルの「描画モードを分離」にチェックを入れます。
するとグループ化されたオブジェクトに抱け描画モードが適用されます。
グループの抜き
重なり合ったオブジェクトに描画モードや不透明度を設定してグループ化した場合、またはグループ化したオブジェクトの個々のオブジェクトに描画モードや不透明度を適用した場合、グループ内のオブジェクトの色は合成されます。
通常は重ねると以下のようになります。
紫と赤の花柄を透明度80%にしグループ化しました。すると重なり合った花びら部分が透けています。
透明度はそのままで透けないようにする場合、グループ化されたオブジェクトを選択します。
そして「透明」パネルの「グループの抜き」にチェックを入れます。
すると透明度はそのままで重なりが透けないようになります。