Illustratorではオブジェクトの外観のことを「アピアランス」といい、塗と線以外にも、色、形状、ブラシ定義、パターン、グラデーション、効果など「アピアランス」を使用すると一つのオブジェクトに対して複数の設定ができます。これにより複雑な見た目のオブジェクトを作成することができます。
「アピアランス」パネル
アピアランスとはオブジェクトの見た目のことで、基本的なオブジェクトの形状はパスの形、色(塗りと線)によって決まります。「アピアランス」パネルを使用すると一つのパスに「塗り」「線」を複数設定でき、またこれらの「塗り」「線」には個別に「効果」メニューの各コマンド、ブラシ、パターン、グラデーションの適用ができます。
「アピアランス」パネルで適用した属性は、変更、削除が簡単にでき、元のパスの形状を変更せずに、見た目を変えることができます。また通常は「塗り」「線」が1つずつの設定となっており、この状態を「基本アピアランス」と言います。
「アピアランス」パネルがない場合、「ウィンドウ」メニューの「アピアランス」をクリックすると表示されます。
「アピアランス」パネルでは以下のように効果を追加したりしていくことができます。追加方法は下部にある「新規効果を追加」のアイコンをクリックするとメニューが開くのでそこから好きな効果を選んで適用させていきます。
今回は、「塗り」に「粗いパステル画」を適用させてみました。
また、追加した効果を削除する場合、削除対象をゴミ箱アイコンにドラッグして削除できます。
「アピアランス」パネルの各項目の概要は以下のようになっています。
作成例(案内地図の線路を作成)
「ペンツール」を選択し水平線を描きます。「塗り」なし「線」黒の20ptにしました。
「選択ツールで」作成したオブジェクトを選択状態にしておきます。
「アピアランス」アイコンからアピアランスパネルを開きます。ない場合「ウィンドウ」メニュー「アピアランス」を選択。
「アピアランス」パネルの最上位にある「線」を選択し、右下の「選択した項目を複製」をクリックします。
「線」が一つ追加され、一番上の「線」を選択します。
「アピアランス」パネル内の「スウォッチ」をクリックし「ホワイト」を選択し、白い線にします。
次に「線」の項目名をクリックし「線」パネルを開きます。
「線幅」を14pt、「破線」にチェックを入れ「線分」を25ptに変更します。
これで案内地図などにも使用できる「線路」部分ができます。
作成例「効果」を使ってみる
オブジェクトを選択し「アピアランス」パネルを開きます。ピンク色で「線」は15ptにしています。
「線」を選択し「選択した項目を複製」をクリック。
複製した「線」の色をホワイトに変更。
「線幅」を5ptに変更します。
「塗り」を選択。
「新規効果を追加」から「スタイライズ」の「ドロップシャドウ」をつけてみます。
数値は任意でOKです。
ドロップシャドウの効果が適用されました。
テキストオブジェクトの「アピアランス」パネル
テキストオブジェクトでは、「文字ツール」で文字入力や編集をしているとき、テキストオブジェクト全体を「選択ツール」で選択しているときとで、「アピアランス」パネルのの表示が異なってきます。
文字を入力、編集している場合「アピアランス」パネルに表示される選択対象は「文字」になります。
テキストツールで文字列を選択している場合
テキストツールで入力、編集している場合、選択した文字ごとに「線」「塗り」が「アピアランス」パネルに表示されますが、「線」「塗り」アピアランス」パネルを新規追加や「効果」を適用することはできません。
選択ツールでオブジェクト全体を選択した場合
選択ツールでオブジェクト全体を選択を選択した場合、「文字」アピアランスが表示され、「文字」アピアランスは、文字ツールで文字を入力、編集するときの「線」「塗り」の設定です。
選択ツールでオブジェクトを選択して「アピアランス」に「塗り」「線」を追加した場合
上図のように黄色の単色のオブジェクト全体を選択し赤枠から「新規塗りを追加」でパターンペイントを追加しています。
アピアランス」パネルの階層は上にある属性のものがオブジェクト上でも上に表示されます。階層を変える場合ドラッグでできます。
「レイヤー」パネルでアピアランスの移動とコピー
「レイヤー」パネルでアピアランス属性のオブジェクト間の移動ができます。
「レイヤー」パネルの塗りつぶされた〇アイコンをドラッグし他の〇アイコンに重ねます。
すると塗りつぶされた〇アイコンが移動します。
オブジェクトの見た目が、左から右の図に移ります。
またアピアランスをコピーする場合、先ほどの手順で塗りつぶされた〇アイコンを【Alt】キーを押しながらドラッグするとコピーされます。